総論／活発化する世界の太陽光発電産業·市場の現状と今後の展望

摘要

太陽光発電は非常に歴史のある産業であるが，2005年にドイツで始まったFIT（Feed In Tariff：固定価格買い取り）制度の導入を契機に市場規模を大きく拡大している。このドイツでの成功が世界に広がり，多くの国でFIT制度が導入されている。昨年の世界的な金融危機により経済環境が悪化したにも関わらず，太陽光発電の導入量は大幅には縮小していない。昨今の環境·エネルギー問題への高い関心だけでなく，産業育成や雇用問題といった別の意味での目的があるためと思われる。これまで環境問題に関心が低かった米国でも，オバマ新政権がグリーン·ニューディール政策を発表するなど，太陽光発電を含む再生可能エネルギーの普及へ向けた活動をスタートさせている。