抄紙用ワイヤーの製造工程と使用上の留意点

摘要

21世紀に入り製紙業界では原材料費の高騰や古紙需給の変化，エンドユーザーからの紙製品に対する要求の多様化等により，品質や生産性への要求が一層高まっている。これに対応して新しい考えの基に設計された高速·広幅の新タイプの抄紙機が導入される一方，既存抄紙機においては設計能力値の限界，場合によっては限界を大きく超える生産性アップが求められ，現実に操業が行われている。本稿では抄紙機と共に発展してきた紙屑形成を担うフォーミングファブリック（抄紙用プラスチックワイヤー：PW ）に関して，普段余り意識しない様な製造·品種選定·使用　上の注意点について解説し，フォーミングファブリックに　関する知見をより高めて頂く参考として提供したい。