国づくりと安全衛生パレスチナで考える

摘要

ILOはパレスチナ自治区（Occupied Palestinian Territories）における労働者が置かれている状況の改善に対して地道な取り組みを続けています。本年のILO総会でも，「被占領中のアラブ領土における労働者の状況」という事務局長報告がまとめられ，特別なセッションが組まれていました。この中でILOは，事実上の被占領地の拡大と人や物資の移動制限（パレスチナ自治区内におけるイスラエル人居住地区の継続する拡大），イスラエル軍との衝突により平和が遠のく状況，そして被占領地における不安定な雇用が労働者の搾取を生んでいること等に警鐘をならしています。その結果，期待された経済的な自立や雇用の拡大が思うように進まず，外国からの援助依存から脱却できない困難な状況が述べられています。