光多重伝送装置MP-6000Aの開発

摘要

近年の高度情報化社会において，従来のメタルケーブルと比較して伝送損失が少なく，雑音の影響を受けにくい光ファイバを用いた光伝送機器が注目されている。 当社はアナログ信号とデジタル信号をシングルモードファイバに多重して通信を行うMP-6000を開発，販売している。 MP-6000は従来型のMP-5000と比較して，シングルモード型対応であり，伝送速度が2Mbps，高出力化，多重信号点数の増大などが改善されている。 また，冗長構成をとっているので，伝送異常時のトラブル回避を可能にしている。 MP-6000はシングルモードファイバで多数のアナログ信号とデジタル信号を伝送できる装置として多様な分野での利用が期待できる。 今回，我々はMP-6000を小型化したラックユニット形式の2点間光多重双方向伝送装置MP-6000Aを開発した。 本装置は，1枚の光多重伝送CPUボードと複数の入出力ボードの組み合わせによって構成されており，デジタル信号で最大288点，アナログ信号で最大96量までのデータを，送受各1心の1.3 μm帯零分散シングルモードファイバ（SM）を用いることで，無中継で約30kmの光伝送が可能である。 制御部（光多重伝送CPUボード），入出力インタフェース（デジタル/アナログ入出力ボード）ともに19インチラックマウント型ユニットケースに実装しているため，ボードの選択により，用途に合わせたシステムを容易に構築することができる。 本報は主としてMP-6000Aの性能・各ボードの性能および実用例についてまとめたものである。