2段抵抗ろう付法による金属部材の高強度マイクロ接合

摘要

一般に，抵抗ろう付法では，ろう材を挟み込んだ母材間に電流を短時間流してジュール熱を発生させ，この熱でろう材を融解し母材どうしを接合する。したがって，この按合法では継手部のみが短時間加熱されることから母材の劣化が少ない。この点は，熱容量が非常に小さい金属部材のマイクロ接合に対して抵抗ろう付法を適用する上で有利な点である。 しかしながら，そのためには抵抗ろう付時に最適な加熱が継手部で実現されねばならない。 抵抗ろう付時の継手部での加熱不足は継手の強度不足を招き，加熱過多は母材の劣化や継手の変形を招く。本稿で紹介する2段抵抗ろう付法は，抵抗ろう付時に継手部での最適な加熱を実現するために，通電を2段階で行う抵抗ろう付法である。