二輪車排気系部品へのチタン材料の適用とその溶接

摘要

ェミッションの低減技術や省燃費技術は,現在の環境問題における重要な関心項目である。 これらに対する規制は自動車のみならず二輪車にも世界的に広がってきている。このためエンジンの低エミッション,省燃費と高出力の両立を達成することは難しい課題であった。 さらに二輪車においては,これらの対応の結果として運動性能が損なわれてはならない。 このため,車体の軽量化はこれら問題の重要な技術解決手法である。 部品のチタン化にょる自動車の性能向上は,この具体的技術手法であり,1960年代から二輪車·四輪車のレース用途として早くから注目され,多くの研究が行われた。 しかし,チタン材料はコストが高いため,量販車への適用は1980年代後半まで時間がかかっている。 この長年の課題であったコストについても近年量販車への用途を目標としたチタン材料の開発が活発に進められたため,その適用も広がりつつある。本稿ではHondaでの排気系チタン部品に焦点をあて,その適用の経緯と今後の展望を述べる。