二輪車用排気系部品のチタン材料と今後

摘要

エミッションの低減技術や低燃費技術は，現在の環境問題における重要な項目であり，これらに対する規制は，自動車のみならず二輪車にも世界的に広がってきている．さらに二輪車においては，環境問題対応によって運動性能が損なわれてはならない．そのため車体の軽量化はこれら問題の重要な技術解決手法である．しかし，チタン材料はコストが高いため，量販車への適用は1980年代後半まで時間がかかっていた．この間，課題であったコストについても，近年量販車への用途を目標としたチタン材料の開発が活発に進められたため，その適用も広がりつつある．本稿では二輪車での排気系チタン部品に焦点をあて，その適用の経緯と今後の展望を述べる．