16年度の発電量は17.7％の大幅増それでも計画を12.3％も下回る

摘要

平成16年度の原子力発電量は，浜岡5号と東通1号の試運転を含めても10社合計で2,820億kWh強にとどまり，3,220億kWh近くが想定されていた計画を400億kWh（12.3％）近くも下回った。 トラブル停止からの復帰が遅れたほか，新たなトラブル停止が発生したためで，3,000億kWhの大台割れは14年度から3年連続。 その前は5年続けて大台に乗っていた。 ただし，15年度は点検の不正処理などが響いて2,400億kWhへ激減していた関係で，対前年比は，17.7％，424億kWhもの大幅増となる。 重油消費量換算で965万kl近い大量の火力発電用燃料を節約した計井になる。 昨年度は浜岡5号（138万kW）が1月18日に営業運転を開始，3年ぶりの新規参入を果たした。 玄海4号が連関した9年7月25日までは，昭和47年度から26年間，毎年度必ず新規参入があった。 しかし，その後7年間は，新規参入が14年1月30日運開の女川3号と今回の浜岡5号の2基だけに激減した。 今年度以降についても，今年度は今秋の東通1号と年度末の志賀2号が運関するが，その後は21年12月の泊3号まで3年半以上もの間が空く。 原子力発電によってCO_2排出量の削減を進めるためには，発電所の稼働率を80％以上に保つ安定運転が不可欠になる。 昨年度の設備利用率は68.9％にとどまり，70％にも届かなかった。 計画の78.8％を10ポイント近く下回った。 平成7年度から13年度までの7年間は80％を超えていた。 過去最高は10年度の84.2％。 今年度は80％の達成がギリギリの状況と試算されるだけに，無理せず，来年度以降での達成を確実にするために，万全な仕込みを期待したい。