25年度LPガス概算要求416億円

摘要

平成25年度の経済産業省の重点政策が決まり，それに基づいた概算要求がとりまとめられた。25年度の政策の最優先課題は①原子力事故·震災からの再生，②円高·空洞化への対応，③電力供給不安の解消。資源エネルギー政策はこれら課題に対応して，1．電力需給の安定化，2．新たなエネルギー需給構造の構築，3．エネルギーコスト制約及び環境制約の克服，4．資源·化石燃料の安定的かつ低廉な供給の確保，5．原子力事故からの再生，災害に強いエネルギー供給体制の再構築一が柱に据えられた。LPガス関係の概算要求もこの基本認識のもとに組み立てられたもので，災害に強いインフラ構築に果たすLPガスの役割の構築が眼目。災害時に有効な分散型エネであるLPガスを，首都直下型地震や南海トラフ巨大地震のような激甚災害に際しても，いかに全国に確実に供給するか。平時からその安定的利用環境を整えておくか，末端までのサプライチェーンを維持·強化しておくか一まずはここに重点が置かれた。また，大震災で明らかになったのは，原子力発電や大規模集中型発電の脆弱性であり，電力供給の危機である。省エネを強化し，再生可能エネの開発·利用の最大限の加速化，化石燃料の有効利用を推進することで，新たなエネルギー需給構造を構築することが喫緊の課題となった。LPガスが担う役割も大きく，家庭用燃料電池（エネファーム）の積極的かつ早急な導入が求められる。また，地政学リスク等によるコスト高鷹要因の克服やCO2削減を進めるための化石燃料＝LPガスのできる限りの有効利用や低廉·安定供給にも寄与しなければならない。この点から高効率なLPガス利用機器の普及と大震災で図らずも示された国家備蓄体制の重要さとその着実な推進が継続されなければならない。