PVPを保護配位子とした銅ナノ粒子の生成メカニズムに関する研究

摘要

溶液還元法による銅ナノ粒子の生成過程の解明を目的に，種々の測定手法（in-situ QXAFS法、XRD，TEM，UV-vis，発色指示薬法等）を用いた生成メカニズムの検討を行った．その結果，銅ナノ粒子の生成は，Cu（CH_3COO）_2→Cu（OH）_2→Cu~＋種→Cu~0という過程で進行していることが分かった．また，ポリビニルピロリドン（PVP）の量を変えることで，中間体のCu（OH）_2やCu~＋種のLife-timeが変化することが明らかとなった．これらの結果から，従来生成ナノ粒子の凝集や成長を抑える役割であると考えられていた表面保護配位子剤が，ナノ粒子の生成メカニズムにも密接に関与し，粒子生成速度を制御していることが示唆された．