遷移金属錯体触媒によるオレフィン重合--高圧下での反応を中心として

摘要

均一系Zirglar－Natta触媒の実用的プロセスを念頭におき，超高圧条件下での重合反応について検討した。 遷移金属錯体－メチルアルモキサンからなるオレフィン重合触媒を用い，100－1500 MPa（1000－15000気圧）といった高圧反応条件下で重合を行うと，触媒活性が向上するが，ポリマーの分子量は錯体によって圧力の影響が異なった。 メチル置換基を多く待つため立体的に混み合った架橋型錯体は従来にない超高分子量のポリオレフィンを与えた。後周期遷移金属錯体からなる触媒系では，活性·分子量の圧力依存性の傾向は4族メタロセンのそれと異なった。 いずれの系においても，素反応の速度に及ぼす圧力の影響が配位子の構造のみならず中心金属に大きく依存することが明らかとなった。