指差しと喚呼を使ってヒューマンエラー防止

摘要

電車の運転士が、たびたび何かを指差しながら運転しているのを見たことがあるでしょうか。運転士は信号や標識が出てくるたびに、それらを指差し、指示している内容や速度を声に出して読み上げています。これは「指差喚呼」や「指差呼称（指差し呼称）」と呼ばれるもので、見間違いや操作ミスを防ぐために行われています（以下、「指差喚呼」と呼ぶこととします）。指差喚呼に見間違いや操作ミスを防ぐ効果があることは、信号に合わせた「ボタン押し課題」を、指差喚呼をしながら実施した場合と指差喚呼をせずに実施した場合の押し間違い率を比較することで確かめられています。図が示すように、このような課題では指差喚呼をしたほうが、明らかに間違いが減ります。