水素ガス－空気混合気爆発に対する防爆火災試験ドームの安全性評価

摘要

（財）日本自動車研究所は，（独）新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）からの委託事業「自動車用固体高分子形燃料電池システム普及基盤整備」の中で安全性評価に係る研究を実施している．本プロジェクトは，平成12年度から5年間の計画で開始し，水素を用いた燃料電池自動車の安全性評価方法の標準化のため，海外で圧縮水素充填容器の火炎暴露試験や銃弾貫通試験，高圧容器搭載車両の火災試験を実施し，データを取得してきた．これらの試験では，高圧圧縮水素ガスを使用するため，何らかの理由で水素ガスが空気中に漏洩した場合可燃性混合気が組成され，それが発火→爆発に発展する可能性がないとはいえない．したがって，当該試験を実施する施設（防爆火災試験ドーム）は，これらの事態に対処可能な耐爆性を有した設計をおこなう必要がある．本報告はこのような可燃性混合気の爆発に村する防爆火災試験ドーム（図1）の耐爆安全性について検討したもので，水素ガス－空気混合気の爆風圧力評価，爆風圧を受ける防爆火災試験ドームの時刻歴応答解析および同建物の耐爆安全性について概説したものである．