燃科電池自動車の普及のためには燃料電池本体の性能·耐久性の向上,コスト低減などの課題がある.課題を解決するためには既存の材料を超える性能と耐久性,低コストな材料を開発する必要がある.しかし新規材料の性能や耐久性を評価する共通の方法がないため,各機関にて個別の方法を適用して開発材料が評価されている.自動車用燃料電池におけるMEA(膜/電極接合体)の劣化現象を再現させてその耐久性を把捉する観点から,FCCJ(燃料電池実用化推進協議会),USFCC(US Fuel Cell Council),DOE(US Department of Energy)からMEAの耐久性評価法(MEA耐久性評価プロトコル)が提案されている.これらの評価方法は試験条件が異なるため,この違いが評価結果に及ぼす影響を把握し,評価の妥当性や評価手法の統一に資するデータが必要である.そのため,(財)日本自動車研究所(以下,「JARI」という)では,市販の触媒や電解質膜を用いてMEAを作製し,JARI標準セルでMEAの耐久性評価を行った.さらに,各プロトコルでの性能の低下挙動とMEAの劣化状態を調査した.本報ではカーボン担体,触媒Ptの耐久性評価プロトコルについて検討した結果を報告する.
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