液体サイクロンを利用したスラリーリサイクルシステム

摘要

半導体ウェーハやガラス基板製造のラップ，ポリッシュ加工工程において，廃棄される研磨スラリーから磨滅した研磨材とワークの切りくずを除去すれば，そのスラリーは十分リュース可能である．しかしながらその除去が難しく，研磨レートと研磨精度の維持のため，一度使用されたスラリーは廃棄されてきた（図1）．これがラップ，ポリッシュ加工のコストを上げ，多量の産業廃棄物問題を起こしてきた．また，近年では中国によるレアアースの輸出制限を受け，それによって酸化セリウム研磨材価格の高騰を招き，ガラス基板メーカにとって大きなコスト負担となっている．液体サイクロンを利用したスラリーリサイクルシステムは磨滅した研磨材とワークの切りくずを効率よく除去でき，50～80％と高い回収率を確保できるので，コストダウンと廃棄物削減に貢献できる（図2）．ここではシステムの仕組みからシステムによって得られるメリットについて説明する．