福島原子力事故の人間面·組織面の教訓と原子力安全改革の取り組み：事故を防ぐこと．はできたのか？

摘要

2013年5月21日，国際原子力機関（IAEA）の主催した専門家会議に参加し，福島原子力事故の人間面·組織面にフォーカスした発表を行った。その中で，「巨大な津波を予測することが困難であったという理由で，今回の事故の原因を天災として片づけてはならず，人智を尽くした事前の備えによって防ぐべき事故を防げなかった」との当社の基本スタンスを明碓にするとともに，改めて事故を振り返り，「巨大津波は本当に予測できなかったのか」，「事故を防ぐために事前に何らかの対策を取ることは出来なかったのか」，「より効果的な事故対応を取ることは出来なかったのか」を問い直し，それらを基に，2度とこのような事故を起こさないために何をなすべきかについて述べ，大きな反響を得た。発表内容は，当社が本年3月29日に公表した「福島原子力事故の総括および原子力安全改革プラン」に沿ったものであり，本稿ではその概要について紹介する。