食品の安定供給を支える物流共同化～サプライチェーンは物流共同化で完結する

摘要

農村社会においてさえ今では自給自足の生活ができなくなっているから、“食品の安定供給”は全ての経済活動に優先されるべき最も重要な活動となっている。人が一人でも住んでいる限りは、過疎地はもとより山間僻地·離島に至るまで輸送活動によって“食品の安定供給”を担っているのが物流·ロジスティクスである。しかし、このことは意外に知られていない。しかもその任務は迅速に低コストで果たさなければならず、販売面においては熾烈な競争を展開しながらも、物流においては協調できるところは協調して、生産地から末端小売店までのサプライチェーンをしっかりと支えている。筆者がこれまでに収集してきた事例の中から代表的な幾つかの事例を選択し、物流つコジスティックスに見られる「競争戦略の裏側で健闘している協調戦略」について、事例を通じて学んでいくこととする。