教師データ作成の観点から見た，データマイニング技術の行動分析への応用事例

摘要

RFID，画像処理等のセンサ技術の発展により実空間の人間行動データを取得する環境が整いつつある．これらのデータを用いて行動の自動識別機能を持つシステムを開発するには，各種のデータマイニング手法が不可欠である．データマイニングは大量データから有用な知識発見を行う情報技術の総称であり，背景としてデータベースや機械学習等の複数の理論を持つ．データの自動識別は主として機械学習における「教師あり学習」の領域に属する問題であるが，精度の高い識別器を構成できるか否かは，学習に用いられる教師データの質に依存することが一般に知られている．東芝研究開発センターでは，人間行動分析技術とその応用の研究を行っており，主なものに「店舗内顧客行動分析」「工場作業分析」「異常行動検出」がある．本報告ではこれらを機械学習と教師データ作成の観点から詳述し，各分野での成果と課題について紹介する．