シミュレーションによる空調·照明の省エネルギー対策の評価～大学キャンパスを例に

摘要

近年，温室効果ガスの排出は増加の一途を辿っており，民生部門においても喫緊の省エネルギー化（以下、省エネ）への取り組みが求められている．しかし，そのエネルギーの運用実態が不明であることや設備投資に対する充分な予算が確保できない等の理由により，省エネが進んでいない現状にある．そこで，本研究では民生用施設のエネルギーシステムを構成している需給両面のモニタリングを行い，潜在化している省エネを明らかにする．さらに，需給両面を考慮したエネルギーシステムを検討することで最も効果的な省エネ対策を提案する．本報では，需要側における省エネに着目し，早稲田大学の教室を対象として，熱流体と照度のシミュレーションソフトを用いて，空調による室内の温度分布の再現や照明の間引き，昼光の利用を定量的に評価することを目的とした．