食品機械業界,コールスタライジング処理で磨耗問題を解決

摘要

リン，リン酸，リン酸塩，ホスホン酸塩などリンの化合物は，製品が空気に触れると自然発火する恐れがあるのでバルブに漏れがあってはならない。そこで，よく用いられるのが金属シート付きのボールバルブである。洗浄作業においては，80℃でリン酸が形成される。SUS316製の標準ボールバルブでは腐食が見られ，これが部品の故障原因となる。だが，この問題はボディコート社のコールスタライジング（Kolsterising）処理で解決できる。この処理が浸食環境に耐え得る耐磨耗性バルブ（写真を実現した結果，生産ラインの寿命は大幅に伸び，メンテナンス費用とライン停止時間は大幅に縮小した。バルブ以外にもポンプ，シャフト，インベラ，パイプなど，ステンレススチール鋼配管部品も同様にコールスタライジング処理で解決できる。本稿では，コールスタライジング処理が必要な技術的改良をどのようにオーステナイト系ステンレス鋼部品に実施したかき説明する。