汚泥減量型好気処理プロセス

摘要

産業排水等の有機性排水を生物処理する場合に用いられている活性汚泥法は、運転に用いられるBOD容積負荷が最大で1.0kg／m~3／d程度であるため、広い敷地面積が必要となる。また、分解したCOD_(cr)の20～30%が菌体、即ち汚泥へと変換されるため、大量の余剰汚泥の処理が必要となる。発生汚泥量を削減する方法としては、汚泥改質方式が近年、用いられてきた。これは、発生した汚泥の一部を改質し、生物分解しやすい状態にして、曝気槽に返送し、再び分解することで発生する汚泥の量を削減する方法である。改質方法としては、オゾン、ミル破砕、高温好気処理、超音波等、多くの可溶化手段が用いられており、改質方法や運転条件によっては、高い汚泥減量率を得ることができる。しかしながら、改質した汚泥が流入することで、曝気槽への負荷が高くなるため、標準的な活性汚泥法より、大きい曝気槽容積が必要となり、改質設備も含め、イニシャルコスト増大の要因となる。また、改質のためのランニングコスト増大、汚泥減量時の処理水質悪化も汚泥改質型の欠点として知られている。