環境装置/水質汚濁防止技術：好熱性細菌を用いた余剰汚泥減量型活性汚泥プロセス

摘要

我が国における産業廃棄物の排出量は、ここ数年では約4億tと横這い傾向にあるものの、その量は一向に減少する気配はない。産業廃棄物の排出量は家庭から排出される一般廃棄物の排出量の約8倍に達し、その内の約20％が最終処分として埋め立て処理されている。 このままでは10年後には最終処分場の残余容量がゼロになるとの推算もあり、産業廃棄物の再利用·減量化が緊急の課題となっている。 近年、多くの企業が「ゴミゼロ工場」「ゼロエミッション」などを目標に掲げ、工場·事業所からの廃棄物の削減に取り組んでいる。 有機性廃水の処理方法としては、効率的·経済的·環境的面から生物学的処理法が最良の方法と考えられている。 その処理過程で余剰汚泥が必然的に発生し、これらは脱水後そのまま、あるいは焼却·減容した上で陸地に埋め立てることで処理されてきた。 しかし、近年、焼却に伴い発生する有害物質、埋め立て地確保の問題などにより、汚泥処理の問題がクローズアップされてきている。 汚泥のコンポスト·肥料化や嫌気消化によるエネルギー回収などの有効利用も検討されているものの、設備が大きくなる上、利用先や安定供給の問題などが残されている。 このような問題を解決するために当社では、好熱性細菌（以下、好熱菌とする）を用いた汚泥可溶化装置と活性汚泥法を組み合わせた余剰汚泥減量化プロセスを開発した。 以下にプロセスの原理、特長、及び実績を紹介する。