CAD/CAM/CAE③ No.213：大物金型向け「開複合面穴あけ」技術の開発

摘要

本稿は、3次元樹脂金型設計を行いながらモールドベースまたはコア（以降、プレートと呼ぶ）の穴加工情報を作成する一連の工程を、CAD間のデータ交換などで生じた微小な隙間やオーバーラップの存在するモデル（以降、関複合面モデルと呼ぶ）に適用した技術報告である。CADCEUS MoldDesignの「穴あけ」の仕組みは、金型に「部品」を配置すると同時に図1に示す「カット用立体」と呼ぶ加工情報（面粗さ、加工方法および加工方向）を待った穴あけ用立体を配置し、プレートから差演算すると同時に加工情報をプレートに転写（複写）する方法であった。 したがって集合演算を行うことが必要なため、プレートは立体（ソリッド）であることを前提としていた。 自動車部品のような複雑形状の大物樹脂製品の場合、開複合面モデルであることが多く、立体（ソリッド）モデルヘヒーリング処理する工数を考えるとCADCEUS MoldDesignの適用が難しい状況であった。 そこで、筆者らは本稿に示すような図形処理方法の変更を行うことによって、開複合面モデルのままで「穴あけ」を実現した。