高機能·低コスト化を実現する自動車用高精度サイクロイド減速歯車のプレス加工の試作開発

摘要

資源枯渇、CO_2排出量削減といった、地球環境に対する取組みの中で、自動車の動力主体を内燃機関から電気主体の電気自動車へシフトする取組みが、自動車メーカー各社にてなされている。電気自動車はリチウムイオン電池などの蓄電池もしくは燃料電池の電力を用い、駆動モータにより発生させた動力を各輪へ伝達させる構造となっているが、自動車を駆動させるためには大トルクを発生させるモータが必要である。一般的に大トルクを発生させるためには大電力により大きなモータを用いる必要があり、省資源·省エネルギーの観点からあまり好ましい方法とはいえない。そのため小型のモータにて大トルクを得るために多様な減速機が用いられている。これらの減速機の必要性能として軽量·高効率が求められており、この性能を満たす減速機の方式として、サイクロイド歯車を用いたサイクロイド減速機がある。しかし、サイクロイド歯車は加工工具などの環境が整備されておらず、加工コストが高いため、量産部品としてあまり用いられてこなかった。そこで当社の超精密冷間鍛造技術を用い、厚板材からプレス加工によりサイクロイド歯車を成形する技術を確立し、サイクロイド減速機の低コスト化を目的としている。なお本開発は、中小企業開発支援補助金を活用し、サイクロイド歯車の設封については長野工業高等専門学校との共同研究にて開発を実施している。