真空ダオカスト技術とその適用事例

摘要

近年の地球環境保全に対するニーズの高まりを背景とし、アルミニウムは自動車の軽量化による低燃費化を実現する部材として、また、リサイクルが容易な材料として高く期待されている。 ダイカストは、アルミニウム合金を成形する代表的な工法であり、生産性が高く、形状自由度も高いことから古くから用いられてきた。 しかし、溶湯を高速で金型内に充填して成形するため、製品中にガスが大量に巻き込まれ、内部品質は必ずしも良好とはいえない。 この欠点を解決すべく開発されてきたのが真空ダイカストである。 当社でも1980年代より真空ダイカストの開発、量産を行っており、現在では熱処理(T4、T6)溶接が必要な部品に適用可能なレベルにまで達している。 本稿では当社における真空ダイカスト技術の概要と、その適用事例について紹介する。