超微細粒銅合金の新しい創製法

摘要

本論文では、従来法とは全く異なる加工熱プロセスによる結晶粒微細化方法を提案し、その適用例を報告する．具体的には、銅及び銅合金の再結晶機構として考えられている不連続再結晶が起こらない程度の低ひずみ圧延加工と、その後の低温焼鈍による回復処理のサイクルを繰り返すことにより、第二相粒子を節とした転位網を亜粒界、小角粒界、高角粒界へ連続的に発達させ、超微細結晶粒の創成を図る．すなわち、本手法による結晶粒微細化の機構は連続再結晶である．その組織発達過程の概念図をFig.1に示す．低い圧下率と低温焼鈍、さらに第二相分散粒子により不連続再結晶の発現を防ぐことを想定している．