超微細粒鋼合金の新しい創製法

摘要

冷間圧延と焼鈍、または高温加工と焼鈍の繰り返しプロセスによる全く新しい結晶粒微細化法「低ひずみ加工と温間回復の連続サイクル」法を提案し、これを第二相粒子を含むCu二Fe合金単結晶に適用した。 主要な結果ほ以下のようにまとめられる。 （1）転位下部組織はサイクル数の増加とともに次第に高方位化し、平均で約0．6 mu m程度（長手方向約0.8 mu m、横方向約0．4 mu m）の超微細粒組織となった。 これより本プロセスが結晶粒微細化法として成立することが示された。 この結晶粒微細化は連続再結晶によるものであった。 （2)不十分な回復処理時間のため工程中に不連続再結晶が発現し、結晶粒の私大化が起こってしまった。 この再結晶め発現は、粒子近傍の粒内での応力緩和と回復時間の不足によると考えられた。 （3）適切な条件下ではさらに微細かつ均一な組織が得られ、超微細粒組織を有する長尺薄板製造に容易に適用可能と期待できる．