SNプレートの緻密層形成による耐食性向上

摘要

一般的なAl2O3－C質のSNプレートは，酸素濃度が高い鋼種で使用すると，酸化や溶損による損耗が大きくなることが知られている。Alを多量に添加したAl2O3－C質のSNプレートは，耐酸化性や耐食性に優れ，高酸素鋼等での使用に適しているが，一方で鋳造中にノズル孔廻りが焼結し，著しく高弾性率となり，エッジ欠け等の損耗を生じる。報告者らは，組織制御とカーボンの適正化により，この材質系を改善し，耐食性と耐熱衝撃性を兼ね備えたSNプレート材料を開発した。このSNプレート材料は，従来の材料と比較して摺動面の損耗が軽減され，稼動面表層で緻密層を形成していたことから，緻密層の形成が摺動面の損傷を抑制したと考えられた。今回は，この表面緻密層の形成メカニズムを推定し，表面緻密層形成に与える金属添加量，雰囲気の影響を調査したのでその結果を報告する。