カドミウムはエス卜ロゲン受容体'陰性'乳がんの危険因子である

摘要

食生活の欧米化や初産の高齢化などにより，日本人女性の約20 人に1人が乳がんを発症するといわれている.従来，乳がんは欧米諸国の女性に多いがんといわれていたが，乳がん検診の普及及び高い受診率により死亡率が減少してきている.一方，日本における乳がん罹患率及び死亡率は増加の一途を迪つており，欧米諸国への追従が危惧されている.乳がんの主な原因は，内分泌環境因子に加えて，外部環境因子によるエストロゲン様作用であると考えられている.近年の疫学調査により，外部環境因子であるカドミウム(Cd)の尿中濃度が高い女性ほど， 乳がんのリスクが高まることが指摘されている.