食道がんに対する開胸開腹術と低侵襲手術の術中体温および短期予後についての検討

摘要

食道がん手術は非常に高侵襲な手術であり，現 在においても死亡率の高い手術の一つである。 近年，早期回復を目的として胸腔鏡?腹腔鏡を取り入れたさまざまな低侵襲食道がん手術（minimally invasive esophagectomy ： MIE)が施仃され， その有用性が報告されている。しかしながら， 内視鏡手術中の二酸化炭素（C0_2)送気は体腔内 を冷却することによつて術中低体温に寄与する可 能性がある。さらに，当院では腹部操作中にお いて術者の配置の関係上，MIE患者には温風式加 温装置を使用できないため，MIE患者は術中低体 温を呈する危険性がある。術中低体温は創感染， 心血管合併症，呼吸器合併症などと関連するが， 胸腔鏡腹腔鏡併用手術における術中体温変化については不明確である。