手術室効率化の光と影 今，一般病棟が危ない

摘要

近年，急性期医療の集約化により，各地域の基 幹病院では，手術症例カ珈速度的に増加している。診療群分類包括価(diagnosis procedure combination ：DPC)の導入は，高額な診療報酬が期待 できる手術，集中治療領域への投資を促し，べッ ド回転率向上のための効率化が求められ，手術件 数を増やすことが各施設で行われている。しかし， 手術症例の増加に対応するための術後の一般病棟 における管理体制に問題があり，その結果重篤な 事故に発展することも懸念される。手術症例の増加により，担当麻酔症例が終了すると休む間もなく，ただちに次の担当症例のため の準備や麻酔計画に専念する麻酔科医は多いと思 う。このような流れの中では麻酔をこなすことが 最大の目的となり，抜管後の患者観察がおろそかになっている。