開腹卵巣囊腫核出手術の術後痛における繰り返し施行の両側腹横筋膜（TAP)ブロックの効果

摘要

婦人科手術は，術後に疼痛ゃ不快感をもたらす が,その疼痛コントロールとしては，副作用を最 小限にした鎮痛方法を考慮しなければならない。 近年，両側腹横筋膜(transversus abdominis plane ： TAP)ブロックが,鎮痛方法の一つとして 注目されている。TAPブロックは，エコーガイド 下で施行する場合は簡便で，ランドマークを用い た方法と比較しても重篤な合併症は少なく，数多 くの報告がある。しかし，単回施行のみでは その効果に限界があり，長期間作用型局所麻酔薬 を用いて一定間隔で繰り返しTAPプロックを施 行することにより，術後に良好な鎮痛が得られる のではないかとわれわれは考えた。今回の研究は， 婦人科領域の卵巣囊腫手術における術後鎮痛方法 として，TAPブロックを繰り返し施行することの 効果，副作用の有無を検討したので報告する。