精神神経用薬で生じた下痢にはどのように対応するの？

摘要

精神神経用薬服用中に下痢を訴える場合には，原因を注意深くアセスメン卜する必要がある.精神神経用薬の副作用が原因となつて発生する下痢については，神経伝達物質である5-HTやアセチルコリンの関与が考えられる.下痢が4週間を超えて慢性化することはほとんどなく，軽症で一過性であることが多いのが特徴である.精神神経用薬の中には，下痢によって脱水が顕著になった場合に重篤な副作用を発現させる可能性が高い薬剤が存在する.その後のアドヒアランスの低下を避けるためにも，患者·家族に対する事前の説明とェンゲイジメン卜の構築が重要である.