航空機における機体技術～軽量化と新素材技術を中心として

摘要

航空機の軽量化は輸送効率の向上に大きな効果があるので多くの試みがなされてきた．航空機構造に金属材料が広範囲に使われるようになると，板金組立構造に適した構造様式であるセミモノコック構造が広範囲に普及した．セミモノコック構造は荷重の分担が比較的明確で効率がよいため1930年代から約70年以上も航空機の構造様式の主流をしめている．近年，複合材料(CFRP)の航空機構造への適用範囲が拡大しているが，構造様式は依然としてセミモノコック構造様式が主流である．何よりも安全性が重視される航空機においては実績のある構造様式を採用する必要があり，また，複合材料の適用による軽量化の効果もあるのでセミモノコック構造様式が主流になるのは妥当である．しかしながら，複合材料が持つ潜在的な軽量化及び低コスト化のポテンシャルを生かすためには複合材料に適した構造様式の研究も必要である．発泡コアサンドイッチパネル構造は複合材料の特長を活かすことができる構造様式の1つであり，今後の研究が望まれる．