新しい学問分野「脳情報工学」の創出とマルチタレント英才教育－九州工業大学21世紀COEプログラム「生物とロボットが織りなす脳情報工学の世界」

摘要

本拠点の目標は，「脳情報工学」という新しい学問分野·研究領域を確立する事である．脳情報工学とは「生命体の脳や神経系の情報処理機能およびその発現行動に学んで得られた知識を元に，脳を模倣した神経機能デバイス（感覚デバイス，記憶デバイス，運動制御デバイスなど）をつくり，チップとして実現する学問」である．「脳情報工学」は神経機能デバイスを作成する上で必要不可欠な学問領域になると思われる．本拠点の概念図を図1に示す．拠点の教員の研究分野は神経生理·心理情動·モデリング·デバイス·ロボティクスの5分野に分かれている．この5分野を元に拠点教員は，視覚，生理実験，時系列，行動発現，感覚センサー，情動，mnSOM（詳しくは後述），ロボットの8つのサブグループを作り，教員本来の研究テーマとは別に，各サブグループ内の研究テーマに関して共同研究を行っている．そのために単一の研究室では行えなかった研究を行い，脳情報工学という新しい研究分野を創出していこうと考えている．