大規模かつ低コストで無農薬栽培の作付体系を開発：大豆をホールクロップサイレージにする 日本に適合した有望な自給飼料

摘要

高蛋白質粗飼料として広く利用されているアルファルファは，酸性土壌や雑草害に弱いため国内での栽培が難しく，大半を輸入に依存している。近年アメリカでは，新たな高蛋白質飼料として大豆ホールクロツプサイレージが注目されている。アメリカでの試験によると，大豆サイレージの租蛋白質含量はアルファルファのプレミアムクラス並みの約20% であり，産乳成績もほぼ同等であるとされている。大豆は日本の気候や土壌に良く適合しており，今後アルファルファに代わる有望な自給飼料と考えられるが，残念ながら現時点では飼料用としての登録農薬がないため，乳牛飼養に対応できるような大規模栽培が難しい状況にある。東北農業研究センターでは，この状況に対応するため，農薬を用いることなく大規模かつ低コストで大豆を無農薬栽培する作付体系を開発したので紹介する。