発泡成形のための熱膨張性マイクロカプセルの開発

摘要

本研究では，ポリプロピレン（PP）樹脂の発泡体製造に適したマイクロカプセルを新たに設計開発するために，まず，カプセルの温度及び圧力に対する膨張挙動を可視化観察により把握し，膨張挙動を表現できるモデルを構築した．さらに，そのモデルを活かして数値シミュレーションを繰り返し，PP樹脂の成形温度である200℃以上の温度で膨張性を確保するためのカプセルの設計要因を明確にするとともに，カプセル設計の最適化を行った．さらに開発の最終段階として，実際にカプセルを製造し，可視化による膨張挙動及びPP樹脂の射出と押出発泡成形に使用し成形品の軽量化率と外観の品質を評価した．その結果，新規な熱膨張性マイクロカプセルを開発し，このマイクロカプセルを使用することにより，特殊な成形機を使うことなくまた汎用の樹脂でも，簡便に軽量化された高外観な発泡成形品を得ることが可能となり，現在，自動車部材等に展開中である．