高分子レオロジーと成形加工CAEの基礎－その中身と周辺問題－(12)マクロスコピック系のCAE：押出成形の基礎と応用

摘要

CAEは単にプロセスの最適化を行うためのツールだけではなく，不良原因が実験的に明らかにされていない現象をトレース解析し，その現象を発生させる真の原因を特定するなどして，新規のプロセス·製品開発につなげるツールとしても活用されなければならない．また，新しいCAE技術開発がなされた対象でも，解析時間などの使いやすさの面から従来技術を用いるケースも多い．発展途上にある押出成形CAEは，特にその使い方も重要な課題である．本講では，押出成形に関してそれぞれの要素技術に対するCAEの現状と問題についての説明を行うが，押出成形についてすべての内容を詳細に解説するのは紙面の都合上不可能である．ここでは，各種プロセスに共通の押出機およびダイ設計に関する説明を行い，粘弾性問題や界面問題など現段階では取り扱いが容易ではない問題についてのCAE利用について説明を行う．