ゴルフ場の残置森林に自生する樹木個体からの種子採取

摘要

近年ののり面緑化は，浸食防止と併せて生物多様性の保全 が求められている4'5'7'。そのため緑化に使用する種苗は地域 性種苗であることが理想である。しかし現状では，諸々の理 由により，のり面緑化で使用する種苗のすべてを地域性種苗 とすることは困難と考える。とりわけ緊急に緑化が必要な施 ェ地では，同等の性能、価格、供給体制を持った外来草本類 の必要性は高く ，緑化施工地に地域性種苗を求めることは非 現実的と思われる。当社においても顧客からの需要は，外来 草本類や外国産自生種が多い。一方，地域性種苗は需要力5小 さいため，常時在庫しないのが一般的である。そのため当社 では利用機会を増やすため，積極的な事前予約を促している。しカゝし，大部分の緑ィ匕施工地では使用する種苗の種類や数 量について事前に確定されるケースは少ないため，地域性種 苗の需要と供給のタイミングを合わせることは極めて難しい と感じる。また同じ種名の商品でも，外国産自生種と地域性 種苗には価格差がある。その価格差を十分に認識していない 場合には，コスト面で使用が見送られることもある。さら に，そもそも地域性種苗に求められる産地の地域スケールを 使用者が理解していない場合も多く，結局は外国産自生種を使用することになる頻度も多い。総じて，現;!犬では地域性種 苗は使用されない場合が多いと認識している。