自然配植技術による植栽後約20年が経過した法面の林分構造 -周辺自然林との類似性一

摘要

自然配植技術による植栽緑化法面が最終緑化目標に当たる自然林の植生へ移行しつつあるかを確認するため，岐阜県高山市にある施工後20年が経過した法面と周辺自然林の林分構造や類似性を比較した。毎木及び実生、稚榭調査の結果，植栽ェはダケ力 ンバ等が優占する遷移初- 中期段階，自然林はゥラジ口モミ等が優占する遷移後期段階にあった。この遷移段階の違いにより，類 似度及びDCAの結果，両調査地の種組成の類似性は低かった。一方，植栽ェでは自然林と共通したゥラジ口モミ等の実生が確認さ れ，さらに植栽ェの下層に遷移後期種が，中期種が高木層に達していた。今後遷移が進むことで，植栽ェは自然林の林型に近づい ていくと考えられた。