脳性麻痺の膝屈曲変形に対する整形外科的選択的痙性コントロール手術

摘要

脳性麻痺の膝屈曲変形に対するOrthopaedic Selective Spasticity-Control Surgery(0S-SCS)の臨床成績を調査した.対象は，2000-2010年に粕屋新光園で施行した中等度以上の膝屈曲 変形に対するOSSCS 26例52膝のうち，術後2年以上追跡できた17例34膝である.手術時年齢 は5歳9か月-19歳5か月（平均14歳5か月），追跡期間は平均4年5か月であった.脳性麻痺の 重症度はGross Motor Function Classification System(GMFCS)レベルを用いて評価した.関節可 動域(下肢伸展挙上角，膝窩角，膝屈曲角.膝伸展角），歩行立脚中期または立位時の膝屈曲角，松 尾の粗大運動レベルを術前と最終時に調査した.下肢伸展拳上角はGMFCSレベルII ? IVで，膝窩 角はGMFCSレベルIVで，膝伸展角はGMFCSレベルII ? IVでおのおの有意に改善した.膝屈曲角 は変化しなかった.歩行立脚中期または立位時の膝屈曲角はGMFCSレベルIII?IVで有意に改善し た.松尾の粗大運動レベルはGMFCSレベルmで有意に改善した.中等度以上の膝屈曲変形に対するOSSCSの効果はおおむね良好であった.