震災による停滞を乗り越え動き出す曰本の水産輸出

摘要

日本大震災は日本の水産物輸出に大ダメ—ジを与えた。福島第1原発事故を起因とする放射性物質の拡散と水産物の汚染は、世界中に知れわたることになり、各国では風評被害を含めて日本の水産物を回避する動きが広がつた。そうした動向は、水産物輸出産業を著しく停滞させてしまった。政府や水産業界は、日本の消費人口が減少傾向にある状況の中、海外市場を開発しょうという流れにあった。それだけに、その動きが止まつてしまつたという影響は大きかった。しかし、あれから1年10月が経ち、輸出品目によって状況は大きく異なっている。回復しただけでなく数量を増やしたものもあれば、いまだに風評被害に苦しむものなどさまざまな様相を呈している。ここでは、東日本大震災が水産物輸出に与えた全体的な影響と現在に至るまでの状況について整理する。