X線マイクロ CTによる生体活性セラミックス多孔体の微小構造解析

摘要

骨再生を期待して生体に利用されるリン酸カルシウム系の生体活性多孔質セラミックス骨補填材（以下[PCBS]) は，臨床的に高い有用性が確認されており，歯科領域でも歯周外科治療ゃィンプラント治療などに応用されている。填入された補填材が迅速な骨再生とその安定に寄与するためには，材料の生体親和性のみならず，骨形成に関与する細胞が補填材の深部に侵入し定着することが条件のひとつと考えられている。そのため，多孔体の気孔構造や分布，気孔間の連通性はPCBSの機能性を決定する重要な要素となっている。また，気孔の領域が大き過ぎれば材料学的な強度が低下するため，材料の骨格部分の緻密性や強度なども補填材に求められる要件であり，これらの要素のバランスが重要である。