光格子時計の遠隔地間直接比較相対論的シフトの検出とその測地的応用の可能性

摘要

光格子時計は秒の再定義を実現する光周波数標準の方式としてだけでなく,重力ポテンシャル差を直接かっリアルタイムに検出するプ口一ブとしても注目されており,そのためには空間的に離れた光格子時計間の周波数を高精度に比較することが必要である.これらの応用を見据え,ともにスト口ンチウム光格子時計をもっ情報通信研究機構(NICT),東京大学,ドイツ物理工学研究所(PTB)を光フアイバや通信衛星にょり結んで,光格子時計の生成周波数の比較を行った結果を紹介する.とりわけNICT-東京大学間のフアイバリンクでは標高差56 mに基づく一般相対論的重力シフトをごく短時間の測定で明瞭に観測し,将来の光格子時計の測地学ヘの応用の可能性を示唆している.