癌転移の場としての骨髄

摘要

骨は癌の転移好発臓器である．骨に転移した癌細胞や骨髄腫細胞は，骨髄微小環境内で骨形成系の細胞であるストローマ細胞／骨芽細胞および骨吸収を担う破骨細胞と多彩な因子を介し密接な細胞間相互作用を営んでいる．この結果，骨転移骨髄微小環境内では骨病変を進行させつつ腫瘍が進展するという悪循環が形成されている．これらの細胞間相互作用の分子メカニズムを明らかにし，悪循環を断つ新規治療戦略の構築が必要である．