魚類生理学研究のこれまでと，新たな応用への展開

摘要

生理学とは何か，魚類生理学概論1）の総論の最初に，「さまざまな生体機能を要素論的に解析し，生体としての神J御機構を解明するのが生理学である。 生体はどのように構成されているのか，それぞれがどのような機能を持っているのか，それらは互いにどのように脚椀して一個体としての機能を発揮しているのか。 あるいは蠣域や他個体とどのような関係を保って生体機能を発揮しているのか」と記した。 この時集の他のテーマが漁業や養髄兼など，具体的な生塵現」易と密着しているのに対し，生理学はあくまで基礎研究であり，特定の水産二の課題を解決するという［川勺を持ってなされる学問ではないという面が強い。 植松教授が水産学会70年史の中で「20世紀故後の20年間における魚類生理学の発展はめざましく，水盛学にとどまらず，比校生理学に対する国際的な貢1胱度も急速に増加した」と述べているように2），基礎学問としての魚規生理学は確かに進展してきたが，水産学という枠の中で考えた時にどのように評佃ほれるべきなのだろうか。