イセエビ類の生活史(104)個体群の形成，維持および更新（27）

摘要

カリブイセエビは西大西洋の熱帯 劅釒·藥冥植激筏皮辏堡膝ⅴ幞辚闲国の凍海岸のNorth Carolinaから，バミューダ島，メキシコ湾やカリブ海を含めて，南はブラジルのリオデジャネイロまでの浅海域に生息している（図1，図2；Holthuis，1991）。 カリブイセエビはこのように広大な地理分布を占めているが，はたして1種のみから構成されているのであろうか，複数種（亜種）が混同されていることはないのであろうか。 イセエビPanulirus属の種については，Berry（1974）によるケブカイセエビP. homarusの3亜種（P. homarus homarus, P. homarus megasculptus, P. homarus rubellus）の識別，George & Holthuis（1965）によるP. japonicus groupの5種（P. cygnus, P. japonicus, P. longipes, P. Marginatus, P. pascuensis）への分割とP. longipesの2亜種（P. longipes longipes, P. longipes femoristriga）の識別，さらにChan & Chu（1996），chan & Ng（2001），Sekiguchi & George（2004）によるカノコイセエビP. longipes femoristrigaの2種と1亜種への分割（P. longipes bispinosus, P. femoristriga, P. brunneiflagellum）に見られるように，これまでに少なからぬ数の新種もしくは所亜種の記載がおこなわれてきた。