イセエビ類の生活史108-個体群の形成，維持および更新(31)

摘要

世界的に重要な漁業資源となっているイセエビ類は，ニュージーランドのJasus edwardsii，西オーストラリアのPanulirus cygnus, 南アフリカのJasus lalandii，カリブ海のPanulirus argus, ハワイ諸島のPanulirus marginatus, 日本のPanulirus japonicus の6種である。 カリブ海のカリブイセエビ助乙血叩エ′∫のように世界的な漁業資源となっている例外的なイセエビもいるが，他の5種のイセエビ類はすべて中緯度海域の温帯に分布しているイセエビ類である。 一般に，インド洋，太平洋あるいは大西洋を問わず，熱帯域においては，大規模な漁業の対象となるようなイセエビ資源はほとんどない。 熱帯海域においては，各海域において細々と展開されている，小規模な漁業手段に応じて，イセエビ類が利用されているのが現状である。 もっとも，それなりにイセエビ類は高価な水産物であるので，地域的には重要な産業となっている場合もある.