極性反転パルス放電を用いた排ガス．排水処理の高効率化

摘要

最近，プラズマという単語を日常的によく耳にするようになった. プラズマの利用例としては，光源やディスプレイへの応用がよく知られているが，排ガス処理や水処理への応用を目指した研究も古くから行われている~(1～5))． 近年における環境問題への意識の高まりにより，プラズマを用いた新しい環境保全技術の実用化研究はますます盛んである．特に，ディーゼル排ガス中のNOxや微粒子成分（Diesel Particulate Matter）の分解，あるいは事業所での塗装工程において大気に排出されるVOC（揮発性有機化合物）の分解を加速するため の方法として，高電圧ーパルス放電の進展によってプラズマ化学反応を高効率に引き起こす手法が注目されている~(6,7))本稿では，筆者の考案したナノ秒極性反転パルス放電の原理およびその特性を紹介すると共に，これを用いた排ガス処理や排水処理技術に関する研究事例を紹介する．