米国食品安全近代化法（FSMA）の概略と最新動向－日本食品企業のとるべき対策－

摘要

米国における食品安全政策は世界の国の中でも最も進んでおり，他の国にかなりの影響を与えている。以前の食品安全政策は問題が起こったときに，そのような問題が起こらないように対策を練るという対処的なものであった。しかし，最近の考え方は食品による問題を起こさないように予防的な方策を立てるという方向に変わっている。米国の食品安全政策は食肉処理工場で問題が多く，牛肉に混ぜ物がされたりしていたことから，1906年に連邦肉検査法（Federal Meat Inspection Act）および純正食品医薬品法（Federal Pure Foods and Drug Act）が制定され食品規制への基礎が作られた。